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データ検証 / Fact-check

杉並区議会の議決データで検証する「10の主張」

SNSで話題になった「自民党が何に反対してきたか」の記事と、それへの反応を、区議会の公式議決記録など一次情報で確かめた。票は事実か、文脈はどうか、ネットの声は有権者を代表しているのか。

⚖ 本ページは特定候補への投票・落選を呼びかけるものではありません。SNSで特定の会派を名指しした外部記事の主張を、全会派の議決データで検証する「事実応答」です(検証対象が自民のため自民への言及が多くなりますが、反対率は全会派を併記し、同じ基準で扱います)。公式記録の事実(賛否・票数)を中立に整理し、各データに出典を付し、捏造はありません(公職選挙法に配慮)。
一致
記事が示した票数は公式PDFの実数と一致(③訪問介護・⑦子どもの権利・⑩核兵器は完全一致)
1–75%
会派別の反対率の分布(7会期185採決)。会派で大きく異なり、各会派とも多くの議案に賛成。検証対象の自民(合算)は約8.6%
187票差
2022区長選の差(投票率37.5%)。ネットの声と実票は乖離していた

① 記事の「10の主張」を一次情報で検証

記事は自民が反対した10件を挙げた。公式「議案等の審議結果(議員別)」PDFを解析し賛否を突合した。

議案(会期)結果自民記事との照合
訪問介護 報酬引上意見書 (R8)可決 35-11反対完全一致
子どもの権利条例 (R7)可決 31-16反対完全一致
核兵器禁止条約 意見書 (R6)否決 21-26反対完全一致
給食費無償化 補正 (R5)可決 28-17反対事実
インボイス延期 意見書 (R5)可決 25-22反対事実(公明・維新・都ファも反対)
健康保険証復活 意見書 (R8臨)可決 23-21反対事実(公明も反対)
R8予算/補正(エアコン助成)可決反対事実
いじめ防止条例 (R7)可決賛成10件で唯一の賛成。票数(40-7)は構造化データ未収録のため議決原典で要確認
パートナーシップ事実婚 陳情 (R6)採択退席陳情・別記録

結論: 記事の「自民が反対した」は事実で、票数も正確。ただしインボイス・核兵器・保険証は公明・維新・都民ファも反対しており「自民だけの孤立した反対」ではない(首長与党 vs 野党会派の構図)。記事は反対した10件を主題横断で選び取ったもの。

② 「自民は何でも反対」は本当か

7会期・185の採決議案で、各会派が「会派として反対(過半が×)」した割合。

検証対象の自民(自無+自民 合算)の反対率は約8.6%で、約9割の議案に賛成。反対は予算・意見書・人権/平和系に選択的だった。反対率は会派で大きく異なり、反対率が突出して高い会派(最大75.0%)から、ほぼ賛成の会派まで分布する(下の棒グラフ)。各会派の反対理由は会議録に記録されている(財源・制度設計など)。理由が妥当かの評価は読者に委ねる。

③ ネットの「声の大きさ」は有権者を代表するか

記事への反応や関連発信を集計すると、媒体ごとに立場が大きく偏っていた。

媒体立場の偏り代表性
note(区政・区長選)特定候補の擁護・批判いずれも発信量に偏り。連載の一部は区外の発信者
はてなブックマーク全国の政治関心層が中心(「区民じゃないけど」多数)。60コメント/スター754/付与者203人
報道・選挙情報・区公式一次情報。全候補・全会派の主張が取れる中〜高

ネット発信者は有権者(約45万人)の0.1%未満。実票では2022区長選が187票差・投票率37.5%で、6割超が棄権=サイレント多数派が結果を決めた。ネットで目立つ特定方向の声は、どの陣営でも発信者が偏り、実票の結果とは一致しないことがある。投票判断は議決・選管・予算などの一次データを軸にするのが確実。

投票率は地域でこんなに違う(2022区長選・投票区別)

出典: 杉並区統計書 r4-12-3。候補者別の地域得票は非公表のため、地域ごとの「関心(投票率)」を見る。

最低25.88%(上高井戸)〜最高50.31%=24.4ポイント差。投票率の低い地域に情報が届いていない可能性=区民にとっての改善余地。

④ 立候補(表明)者(告示前・要確定)

2026杉並区長選 告示6/21・投票6/28。立候補(表明)者を五十音順に。各氏の公約・比較は 候補くらべ に全候補同じ基準で掲載。出典: 各公式サイト・報道。

上梨ゆうすけ 無所属

公約の一次情報は確認中(評価保留)。詳細は 候補くらべ へ。

大和田伸 45・自民推薦

元区議4期・元議長。行政DX・歳出改革・地域通貨・いじめ対策。

岸本聡子 現職51・無所属

給食費無償化・参加型予算・子どもの権利条例・対話の区政・気候/ジェンダー。

田中良 前区長65・無所属

3期12年の実績訴求。少子化・出産一時金・治水・道路整備。

増田義彦 67・再生の道推薦

「みどりで稼ぐ杉並」構想。緑を投資と捉え環境・経済・教育を一体化。

⑤ 現職区議 一覧(47名)と前職

2026年時点の現職を会派別に。反対率=全185採決での「×÷投票数」(高いほど区政に異を唱える傾向)。出典: 議員別審議結果PDF + 区公式会派別一覧。

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仕事ぶり(活動の可視度)— 発信力も一軸に

前提: Webで見える活動≠真の仕事量。出席はほぼ全員99–100%で差がつかず、差は発信・役職・実績に出る。「情報が見つからない=サボり」ではない(組織型・対面中心の可能性)。
可視度[高](発信/役職/実績が追える): 小池めぐみ・山田耕平・富田たく・くすやま美紀(共産)、山本ひろ子・中村康弘(現副議長)(公明)、ブランシャー明日香・奥山たえこ・そね文子(シ杉)、木梨もりよし(現議長)・井口かづ子(議長4回)、堀部やすし(中立検証note)。
可視度[低]寄り(Web手がかりが少ないだけ): 脇坂たつや・川原口宏之・安斉あきら 等。
合意議案への賛否: ほぼ全会一致の議案(144件)にも反対した割合が5割を超えるのは、ある単独会派の議員1人(54.9%)のみ。共産6名でも合意議案には100%賛成で、多くは是々非々(争点ごとに判断)。

任期中に退いた議員(前職)

氏名退任その後
大和田 伸2026-05-13 辞職区長選に出馬(自民推薦)。元区議4期・第80代議長
松本 光博2025 辞職都議選へ出馬(2025都議選)

参考: 2023区議選で自民は16→9に半減し、現職12名が落選・新人15名が当選。前区長田中良(3期12年)は2022落選後、2026区長選に返り咲き出馬。田中裕太郎は2022区長選落選→2023区議当選で復帰。

⑥ 長期事業ガント — 区長交代で何が継続/転換したか

4年の任期を超える長期事業は、都の都市計画決定・国制度・条例・用地買収に支えられ、区長が代わっても枠組みは残り「進度と進め方」が変わる。一方、区の裁量で決まる施設政策(児童館・ゆうゆう館)は政権交代で明確に転換した。出典: 東京新聞・区公式・堀部やすし区議の検証・各陣営発信(立場の偏りに留意)。

公約達成率の論点: 「さとこビジョン」達成率は基準で 58.4% / 50.6% / 38.8% と変動(堀部区議の検証)。就任前から実施済の取り組み=実質前区政の実績を含めるか除くかで1割以上変わる。「前区政の土台をどちらの実績と数えるか」が評価者の立場で割れる。長期事業への基本姿勢(整備を優先して進める / 住民合意を経て進める)が区長選の対立軸の一つ

⑦ 年表で見るつながり(2022–2026)

⑧ 方法論・出典・限界

訂正・更新(2026-06-10): PDF抽出の不具合(各ページ先頭行の議案が漏れる)を修正し、対象議案を158→185件に拡大して全数値を再計算しました(漏れていたのは R5-2 議案53号 / R6-1 議案1号・20号 / R7-1 議案22号(いじめ防止条例) / R8-1定 議案22号・議員提出2号)。会派別反対率は最大±1.3ポイント程度変動しましたが、本記事の検証結論(票数の一致・反対の選択性・会派間の分布)は変わりません。誤りのご指摘はフッタの「🐞 誤り・不具合を報告」からお願いします。

・議決: 杉並区議会 公式「議案・議決結果の一覧」(HTML)+「議案等の審議結果(議員別)」(PDF)を座標解析し会派別賛否を再構成(7会期・185採決)。
・反対理由: 区議会 会議録検索システム(本会議・委員会の討論)。
・言説: はてなブックマークAPI(コメント・スター・付与者)、note検索の発信者集計。
・区政データ: 東京都オープンデータ(杉並区103データセット)、財政指標CSV(2014–2024)。
・候補者: 各公式サイト・東京新聞・選挙ドットコム・Wikipedia(経歴の事実確認)。
限界: 告示前のため候補は変動しうる。待機児童・みどり率・道路整備の時系列はオープンデータに無く未検証。一部の会派異動日・期数は要再確認。陳情は議員別記録がない。

中立性の宣言: 本ページは事実の構造化であり、特定候補の支持・不支持を表明しない。解釈は出典リンク先に委ねる。